2020/05/26 10:25
色々と機材更新やらがありましたが、1年ほど書いていないなと思ったので、書いてみることにしました。前半は機器類の紹介、後半は構成についてです。自宅36Uラック私は一人暮らしをしている学生ですが、自宅に36Uラックを設置しています。その様子を先に。サーバサーバ機器はラック下部にマウントしています。重量のある機器はできるだけラック下部へ設置し、ラック自体の重心を下げるように努めています。自宅のワンルームに設置していますから、地震等でラックが倒壊する可能性をできるだけ抑えるのが目的です。 現在、以下のようなサーバがあります。名称CPURAMHP DL380e Gen8Intel Xeon E5-2420v264GBHP DL380p Gen8Intel Xeon E5-2640v2 x2128GBHPE DL380 Gen10Intel Xeon Silver 4208128GBHPE DL380 Gen10Intel Xeon Bronze 310416GB自作AMD EPYC 7452 32-Core Processor128GBネットワークネットワーク機器は主にラック上部にマウントしています。機器類の管理ネットワークは1GbEで構成し、ストレージ周りは10GbEとしています。使用しているスイッチには40GbEポートがありますから、将来的に40GbEを利用する予定です。(スイッチの紹介、検証等は別途記事にしていますので、アーカイブから御覧ください。)さらに、光ファイバーを2回線引き込んでいます。また、OpenVPNを用いたSite-to-Site VPNによって、VPS及び別のリージョンに設置した機器類について、接続を行っています。各リージョン間の経路情報の交換は、BGPを用いて行っております。 電源夏場のゲリラ豪雨等の一時的な停電・電圧降下に対応するため、1200VAのUPSを1台設置しています。昨年夏の稼働回数は、瞬間的な電圧降下によって15回ほど作動しましたので、重要な役割を担っています。また、15Aのブレーカを搭載したサーバラック用にコンセントバーを背面に設置しております。構成とか現在は、TrueNAS(FreeNAS)を用いたネットワークストレージのみが稼働している状況です。 今まではProxmoxを用いた仮想化環境をメインにしておりましたが、先日まで検
2020/05/15 10:00
性能及び冷却性能テスト編前回、AMD EPYC Processor で2U本格水冷サーバを組んでみた。という記事を書きました。今回はその性能テスト編になります。およそ1か月近くたち、その間 Rosetta@Home 稼働のために、フル負荷で連続1か月ほど稼働させておりましたので、その評価と合わせてお届けします。(Linux環境で運用したので、Windows系のベンチマークを取るのがめんどくさくて、本記事の投稿が遅れました。)その前にタスクマネージャーの図でも。どうやら、Windows10のタスクマネージャーはそうスレッド数が64以上になると、いくらウインドウを大きくしたところでチャートは表示されないようですね。48スレッド環境では全スレッドチャートが表示されていたので。Cinebench R20CPUベンチの定番といえばこれではないでしょうか。Temperatureベンチ中の温度は40度以下でした。EPYCにはプロセッサダイが4つありますので、4ノードの温度が表示されています。なお、温度取得にはHWMonitorを利用しております。Rosetta@Homeこちらは明確なスコア等は無いので、評価のしようがないところですが、安定して1か月ほど動作しておりました。評価水冷での冷却性能や、静音性について。本サーバ機を2Uサイズながら水冷としたのには、主に2つの目的がありました。1つは、静音化です。通常、2Uサイズのサーバ機では、CPUやその他コンポーネントを十分に冷却する必要があるためにファンが高速回転し、かなりの騒音となります。しかしながら、寝室にサーバラックがありますので、出来る限り静音化しなければ安眠の妨げとなります。もう1つは、冷却性能の向上です。2Uサイズという非常に薄い空間において冷却性能を担保するには、クーラントによって熱源を移動させ、より大きなヒートシンク(今回はラジエータ)で冷却することです。まず、静音化について。本サーバ機においては、性能や発熱量に対して非常に騒音を小さくすることに成功しています。それなりに音はしますが、扇風機の強運転よりは少し静かなぐらいです。もう1つ、冷却性能について、先ほど示したように最大負荷時でもCPU温度は40度程度でした。室温は25度程度、アイドル時26度ですので、冷却性能は非常に高いといえるでしょう。なにせCPUはTDP15
2020/04/23 21:30
事の発端巷で話題になっていた Rosetta@Home の方を自宅ラック内の設備の一部を使用して動かしておりましたが、当然CPUを使い切るわけですから、それなりに電力を消費することになります。Haswell世代のXeon E5 プロセッサを始めとして、100スレッド超えの計算能力を突っ込んでいました。(一時期、Rosetta@Homeにおいて国内2位の計算能力を提供していました。)しかしながら、それだけ電力使用量も増えるもので、Haswell世代のXeon E5 プロセッサを2基(計24コア48スレッド)積んだマシンを動かすと、それだけで400W近い電力を消費していました。それ以外にも多くのマシンを動かしていましたから、1.5KWh近い電力を消費していたように思います。(流石にここまで来ると、部屋が暑くなります。まだ4月でしたので、窓を開けてちょうどいい感じでした。)自宅ラック勢の中では、比較的新しいマシンが多い弊宅(当社調べ)ですが、それでも計算能力に対して電力効率が、決していいとは言えないことが気になってきます。ここまで来ると、より良いものが欲しくなるのが人の性。AMD EPYC プロセッサ、中でもZen2アーキテクチャを採用したRomeに目をつけました。 構成を考えるまず、筐体(ケース)ですが、弊宅の36Uサイズの19インチサーバーラックへインストールするため、2Uサイズのラックケースを選択しました。そうすると、高さが80mm程度を低いため、市販品のCPUクーラーは入らなくなります。当然、サーバー向けプロセッサですから、2Uサイズの空冷CPUクーラーも存在します。しかしながら、TDPが150Wを超えるようなプロセッサを2Uサイズに収まるような小さな空冷CPUクーラーで冷却したところで、冷却能力を高めるためにファンが高速回転しうるさくなるか、ファンの回転数を落としたために冷却不足になるなど、冷却や音の問題が出てきます。弊宅はワンルームですから寝室を兼ねていますし、極力音は小さくしたいものです。そこで、思い切って水冷にしてみることにしました。クーラントによって熱を移動させ、2Uサイズの空冷クーラーよりは大きな断面積を確保したラジエータによって冷却するのです。本格水冷自体始めてで、どの程度冷却できるか、静音性等は未知数でしたが、チャレンジしてみることとしました。