性能及び冷却性能テスト編
前回、AMD EPYC Processor で2U本格水冷サーバを組んでみた。という記事を書きました。
今回はその性能テスト編になります。
およそ1か月近くたち、その間 Rosetta@Home 稼働のために、フル負荷で連続1か月ほど稼働させておりましたので、その評価と合わせてお届けします。
(Linux環境で運用したので、Windows系のベンチマークを取るのがめんどくさくて、本記事の投稿が遅れました。)
その前にタスクマネージャーの図でも。
どうやら、Windows10のタスクマネージャーはそうスレッド数が64以上になると、いくらウインドウを大きくしたところでチャートは表示されないようですね。
48スレッド環境では全スレッドチャートが表示されていたので。
Cinebench R20
CPUベンチの定番といえばこれではないでしょうか。
Temperature
ベンチ中の温度は40度以下でした。
EPYCにはプロセッサダイが4つありますので、4ノードの温度が表示されています。
なお、温度取得にはHWMonitorを利用しております。
Rosetta@Home
こちらは明確なスコア等は無いので、評価のしようがないところですが、安定して1か月ほど動作しておりました。
評価
水冷での冷却性能や、静音性について。
本サーバ機を2Uサイズながら水冷としたのには、主に2つの目的がありました。
1つは、静音化です。
通常、2Uサイズのサーバ機では、CPUやその他コンポーネントを十分に冷却する必要があるためにファンが高速回転し、かなりの騒音となります。
しかしながら、寝室にサーバラックがありますので、出来る限り静音化しなければ安眠の妨げとなります。
もう1つは、冷却性能の向上です。
2Uサイズという非常に薄い空間において冷却性能を担保するには、クーラントによって熱源を移動させ、より大きなヒートシンク(今回はラジエータ)で冷却することです。
まず、静音化について。
本サーバ機においては、性能や発熱量に対して非常に騒音を小さくすることに成功しています。
それなりに音はしますが、扇風機の強運転よりは少し静かなぐらいです。
もう1つ、冷却性能について、先ほど示したように最大負荷時でもCPU温度は40度程度でした。
室温は25度程度、アイドル時26度ですので、冷却性能は非常に高いといえるでしょう。
なにせCPUはTDP155Wですから。
省電力性
Zen2アーキテクチャを採用したEPYCという事で、電力性能の方も気になっておりました。
結論から言いますと、性能に対する消費電力はとても優れたものです。
これだけの性能がありながら、フル負荷状態でシステム全体の使用電力(PDU読みです)は200W以下と、中古サーバばかりを扱ってきた自分としては考えられないような性能です。
例えば、Xeon E5 v3世代のCPUを2基搭載したサーバでは、フル負荷時にはシステム全体で400W近い消費電力でした。
総評?
今回のマシンのパーツ台等はおよそ25万円ほどとなりました。
金額に対してはかなり性能の良い、安定したマシンを組めたと思います。
唯一問題となるのが、水冷化したことで、空冷と比べてより頻度の高い定期的なメンテナンスが必要となることです。
放置しているとクーラントの漏れなどの問題が起きやすくなりますから。
手に入りやすい安価なプロセッサではありませんが、Zen2アーキテクチャのEPYCプロセッサはかなりお勧めできるものだと思います。
(おそらくThreadripper 3970Xあたりの方が手に入りやすいと思いますが。)
もうちょっと真面目に書こうと当初は思っていたのですが、かなり雑になってしまいました。